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2015.12.21

来年の干支は・・?!特集陳列「さるづくし」は必見だリン♪

こんにちリン!トラりんだリン。

 

ようやく休館も明けて、みんなに会うことが出来て嬉しいリン♪

 

ところで、いま京都国立博物館では、特集陳列が3つも開催されているって知ってた?

今日は、その中で新春特集陳列「さるづくし―干支を愛でる―」を紹介するよ!

 

この企画を担当した井並さんに見どころを教えてもらうリン!

井並さん、よろしくお願いしますリン。

 

 

井並  :どうぞよろしくお願いします。

 

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トラりん:ところで井並さん、どうしてお猿さんの特集なんだリン?

 

井並  :トラりん、2016年の干支は何か知っていますか?

 

トラりん:もちろん寅だリン!

 

井並  :申(さる)年ですね。これを祝って、猿を表した日本や東アジアの

     美術品を特集することにしたんです。

 

トラりん:なるほど!それはお正月にぴったりの企画だね!

     さっそく、どんな作品が出ているのか教えてほしいリン!

 

 

井並  :まず、この大きな絵は、涅槃図(ねはんず)といって、

     お釈迦さまがお亡くなりになった場面を描いています。

 

トラりん:それがお猿さんと何の関係があるんだリン?

 

井並  :絵の下のほうをよく見てください。

     弟子たちとともに、たくさんの動物たちが集まって、

     釈迦の死を悲しんでいます。

     その中に、猿も描かれていますね。

 

トラりん:あ!いたリン!(みんなも京博に来て見つけてね!)

 

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井並  :でも、よく考えると、描かれているのがお釈迦さまということは、

     これって天竺(インド)が舞台ってことですよね。

     しかし、この猿、どう見てもニホンザルです。

     日本で涅槃図を描くときに、身近にいたニホンザルに

     置きかえたのかもしれません。

 

トラりん:へ~、そんなことをするんだね!

     ん?この絵巻物に描かれているのもニホンザルだけど……

     着物を着て、人間の格好をしているリン!

 

井並  :この絵巻物は「十二類絵巻」といって、

     十二支やそれ以外の動物たちが人間のように話したりふるまったりする

     室町時代の作品です。

     今回は、宴で猿が陽気に舞いおどる場面を展示しています。

 

トラりん:あ!虎もいるリン!でも、体がボクと違って黄色いリン。

 

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井並  :トラりんは尾形光琳の水墨画から生まれたから白黒なんですよね。

     この絵巻物を描いた人は、絵の具の専門知識や高い彩色技術を

     持ち合わせていた職人だと考えられます。

     だから、とても明るく彩り豊かな、動物たちの楽しい世界を

     描き出すことができたんでしょう。

     酔っぱらった人間のようにも見える猿の真っ赤な顔も必見です。

 

トラりん:この絵巻、とてもおもしろいリン!

 

井並  :次は、この屏風をご覧ください。

 

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トラりん:お猿さんがたくさんいる!でもニホンザルじゃないリン!手足が長い!

 

井並  :この猿は大陸に生息するテナガザルといいます。

     この屏風の作者、式部輝忠(しきぶてるただ)をはじめ、

     中世の水墨画家は、日本ではほとんど見ることができなかった

     この猿をたくさん描きました。

 

トラりん:そうか!お猿さんにも、いろんな種類がいるんだリン!

     でも、どうして見たことないお猿さんをそんなに一生懸命描いたんだリン?

 

井並  :当時の日本では、中国の牧谿(もっけい)という画家の作品が

     たいへんな人気を集め、珍重されていました。

     牧谿が描いたテナガザルは「牧谿猿(もっけいざる)」と呼ばれるほど、

     たくさんの人が真似して描いたのです。この作品もそのひとつです。

 

トラりん:へえ~。じゃあ、牧谿さんも、この絵みたいな作品を残しているリン?

 

井並  :それが、牧谿の描いたテナガザルは

     山の奥深くに棲む気高い仙人のようなイメージに近いんですけど、

     日本で描かれたテナガザルは、どちらかというとこの作品のように、

     明るくほほえましい姿で表されることの方が多いようです。

 

トラりん:たしかに、金色の光のなかで、竹につかまって遊んだり、じゃれあったり、

     お猿さんの楽園のようだリン!

 

井並  :時代が下って、江戸時代には曾我蕭白、伊藤若冲、長沢芦雪といった

     近年人気の絵師たちが活躍します。

     今回は彼らの作品も展示していますが、江戸時代に猿を描いた絵師として

     忘れてはならない人がいます。

 

トラりん:ボクの生みの親、尾形光琳先生だリン?!

 

井並  :森狙仙(もりそせん)という人ですね。

     彼は、猿の絵を得意とする絵師として、大坂を中心に活躍しました。

 

トラりん:(がーん・・・さっきからちょいちょい冷たいリン(涙))

 

井並  :その得意っぷりは、もともと「祖仙」という号だったのを、

     猿を意味する「狙」に変えたほど。

 

トラりん:ここの部屋、狙仙さんの大きな作品が3つも並んでいるリン!

 

井並  :どれも狙仙の代表作といえるものです。

     その中でも、狙仙の晩年の作品、

    「猿図絵馬」(兵庫・柿本神社)はすごいですよ!

     生きているかのような目元の表現、桃をもつ手が力をこめている実感、

     これは本物をみないとわからない。

 

 

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トラりん:た、たしかに、見入ってしまうリン…。

 

井並  :さて、最後に、江戸時代に猿を表した工芸品をご紹介しましょう。

     トラりん、いちばん左の作品を見てください。

     これは緒締(おじめ)と言って、

     紐を通して袋や巾着(きんちゃく)の口を締める工芸品なんですけど、

     なんと、一匹で「見ざる・聞かざる・言わざる」を全てやっているんです。

 

 

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トラりん:こ、これもすごいリン……!両手両足を使いこなしているリンね……。

 

 

 

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三猿緒締 線刻銘「懐玉」(当館)

 

 

井並  :しかも、こんなに小さな作品なのに、とても細かく彫っている。

     おもしろいアイディアと高い技術がつまっています。

 

トラりん:ん~、小さすぎてよく見えないリン!

 

井並  :安心してください。なんとこの緒締や根付は、

     3Dプリンターで大きくしたものを実際に触ってもらえるように

     しているんですよ。

     あとで、京博ナビゲーターというボランティアさんが活動している

     ミュージアム・カートに行ってみてください。

 

トラりん:本当リン?!それは楽しそうだリン!

 

井並  :さて、ずっと見てきたように、猿と一口にいっても、

     本当にいろんな姿、いろんな表情を見せてくれるんです。

     日本や東アジアの文化で大きな存在感を示してきた猿とその美術品の魅力が

     申年を機会に、少しでも伝わればうれしいです。

 

トラりん:お猿さんは、意外と奥深い生き物なんだね!これは、寅年も楽しみだリン!

 

井並  :長くなってしまってごめんなさい。

     でも、壬生狂言や猿回しなど、展示しているけど紹介できなかった内容が

     他にもたくさんあるので、ぜひゆっくり見て行ってくださいね。

 

トラりん:ありがとリン!ところで、この会場は平成知新館の2階だけど、

     1階にとてもたくさんの人が並んでいるリン。

     あれは「さるづくし」の行列だリン?

 

井並  :あれは今度このブログで紹介する特集陳列「刀剣を楽しむ」を

     最前列で見るための行列ですね。

     2階展示室にて開催中の新春特集陳列「さるづくし」はゆっくりと

     ご観覧いただけます。

 

トラりん:お正月にぴったりの「さるづくし」、みんなにも見てほしいリン!

     博物館は12月26日からお休みだけど、年始は2日から開館するよ!

     ボクも2日3日と、そのあとの土日祝日に登場するリン!

     1月にはお餅つきや、芸舞妓さんによる舞のご披露など、

     イベントも盛りだくさんなので、ぜひ博物館に遊びに来てね!

 

 

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◎新春特集陳列 さるづくし―干支を愛でる─

 日程:2015(平成27)年12月15日 ~ 2016年1月24日

 会場:京都国立博物館 平成知新館

 URL:http://www.kyohaku.go.jp/jp/theme/img/saruzukushi_guide_2016.pdf

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